丸原鯉屋
丸原鯉屋は山形県寒河江市にて家族だけで営んでいる田舎の小さな鯉屋です。
成り立ち
丸原鯉屋は大正15年(1926)に初代 佐藤由松・わかえ(曽祖父・曾祖母)が寒河江市柴橋木の沢(旧柴橋村)に居を構え自宅敷地内に小さな養殖池を設けた事から始まります。
当初は養殖した活鯉の行商から始めました。自転車の荷台に水を張った木箱を載せて活鯉を入れ、腰から出刃包丁を下げてお客様の家々を回り、ご注文を受けたその場でさばいて販売しておりました。
二代(祖父・祖母)三代(父・母)と屋号を受け継ぎ、ご贔屓様に愛されて参りました。その間、店舗営業の開始、顧客・販売量の増加、そしてインターネットへと。時代によって変化を続けてきましたが、初代が行商で苦労した事、お客様への感謝の気持ち、商品への取り組み方、甘煮のたれと製法は、変わらず受け継いでまいりました。今を生きる私達も受け継ぎ伝えていきたいと思っています。
屋号
原とは原野(はらの)の原です。田んぼの真ん中の一軒家だったので世間様よりこの屋号をいただきました。
企業秘密
企業秘密はありません。お知りになりたい事があれば商品について常識の範疇でしたらお教え致します。
食に携わる者として、お客様がどの様なものを召し上がるかをお伝えする義務があると思いますし、お客様は知る権利があると考えております。
寒河江川
丸原鯉屋の鯉は月山と朝日連峰を源流とする寒河江川の水で泳いでいます。寒河江川の源流の一つに月山山麓湧水群があります。月山の万年雪がブナ林に染み込み四百年の歳月を経て染み出た水です。ミネラルを含む軟水で日本名水百選に選ばれています。
お客様とお話していて「川水をそのまま使っています」と言うと驚かれる方が多いです。調理した鯉はそれを感じさせる臭みやクセが無いからです。
時には川の水をそのまま使える事が付加価値になってしまう事があります。複雑な心境ですが現在の社会は少しづつ自然の大切さを見直す傾向にあるような気がします。とても嬉しい事です。
川の四季
仕事をしていると水で四季を感じる事ができます。
春の雪解け水、夏の田畑に栄養を運ぶ水、秋の落ち葉と一緒に流れる水、冬の肌に痛い水。
それぞれの季節、それぞれの水で鯉も水に合わせて肉質を変えます。
自然に四季があり、人がそれを感じる訳ですから、四季に合った鯉を食す事も自然な事だと思います。
ただ、自然を感じ取れるだけ、自然の怖さや偉大さも肌で感じます。人は自然に逆らう事はできないとつくづく感じる瞬間があります。
物産展
年に数回、物産展に出展させていただきます。鍋とたれを持って、冷蔵にて生の切り身を送り、デパートや百貨店で煮て販売いたします。
これには幾つかの理由がございます。
山形と同じ味をお近くで
お時間や距離の都合で山形にお越しいただけないお客様に山形と同じ味をお届けします。
お客様の生の声を聞く
常日頃、商品をお送りさせていただいているお客様の声を聞き、仕事に活かします。
新たなお客様との出会い
それまで当店をご存じなかったお客様に知っていただき、鯉の美味しさを知っていただきたいと思っております。
新しい情報・繋がりを求めて
山形に留まっていると新しい情報を肌で感じる事が難しい時があります。色々な話を聞き、空気を肌で感じて成長していきたいと考えています。
商いの初心を忘れない
先に書きました様に丸原鯉屋は行商から商いを始めました。その初心を忘れないように心掛けています。
その日に煮た鯉はその日のうちに
真空袋に入っていない店頭で販売する「鯉の甘煮」「鯉ぶかし」は当日のみの販売で翌日に再販売は致しません。ですので売り切れの状態がままあります。
そういった場合は真空袋入りの商品をお奨めしております。
できたての商品をご希望の際はご予約いただければ大変嬉しいです。ご予約いただければ「一切れ」からでも調理、お取り置き致します。
鯉のあらい
商品の中でも多くご注文をいただきます。
丸原鯉屋ではあらいの作り置きは致しません。全てご注文いただいてから仕事をします。お早くご連絡いただいた場合でも時間に合わせて作り始め、ご来店いただいてからのご注文はお待ちいただきます。活きの良さを味わっていただく為にお客様にもご協力をいただいています。そういう意味では大変贅沢な商品です。
よくメールで「あらいは送ってもらえますか?」と問い合わせをいただきますがお断り致しております。時間が経つとヘタってきてしまい、歯応えや美味しさが落ちてしまいます。
自分でも生意気だと思いますがずっと守ってきた事なのでご理解をお願いしています。
注:「鯉のあらい」と申しましてもお店によって「さばき方」や「さらし方」が異なりますので全てのお店が当店と同じではありません。